テレビとインターネットの違い

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テレビ番組の途中にCMが放送されたからといって怒り出す人はあまりいませんが、インターネットでブラウザ上で多くの面積を占める広告が表示されると不愉快になる人は多いでしょう。広告収入で成り立っている無料のウェッブメールの画面に表示される広告でさえ不愉快に思われています。

両方とも広告収入で運営されているという点では違いはありません。ですから、テレビの場合は広告収入で運営されていると理解しているからCMを不愉快と感じないというわけではないのです。

テレビでも生中継中に挿入されるCMは結構不愉快に感じます。プロ野球中継で、9回の裏一打逆転のチャンスでピッチャーがボールを投げた瞬間にCMに切り替わったら相当不愉快になります。サッカーでもバレーボールでも、『ここぞ!』というときにCMになってしまうと嫌なのですね。たとえ録画をしていても、です。

クイズ番組では、『・・・しかし、驚いたことに!・・・』という振りでCMになるものがあります。CMに入ったときに他局の番組に視聴者が流れないようにするためのテクニックですね。『続きが見たい!』『結論が知りたい』という人間の心理を逆手に取った手法です。

でも、こうした番組ではあまり不愉快にはなりません。CMの後に答えが放送されることが分かっているからではありません。そんなに集中して番組を見てはいないからです。

クイズ番組やドラマなどは、いくら楽しんで夢中になっていても、一方的に流されてくる情報であるという点では同じです。見ている自分は、あくまで第三者で番組とは関わりのない存在なのです。ところが、スポーツ番組などは自分が感情移入して見ていますから、完全なる第三者ではないのです。なかには「自分が見ているといつも逆転される」という理由で、贔屓のチームがピンチになったときにはテレビチャンネルを変えてしまう人さえいます。お風呂に入ってしまう人もいるんですよ。これ、本当です。そして、後で恐る恐る結果を見るのです。

この場合は、自分もそのスポーツに主体的に参加をしているのですね。当事者なんです。だから『いいところ』でCMになるとものすごく不愉快になるのですね。広告収入で運営されているという点は関係がないのです。
テレビのCMで怒り出す人がいない理由は、一方的に流される情報だからです。見ているようで見ていないし、聞いているようで聞いてはいない、という状態なのです。

インターネット広告を不愉快に思うのは、その人が能動的に参加をしているときに、突然脈絡もなく興味のない情報を見せられるからです。

また、テレビ画面とパソコンのモニター画面の視聴者の目からの距離の違いにも原因があります。テレビ画面を50センチしか離れないで凝視している人はあまりいませんが(ちょっと怖いですね)、パソコンのモニター画面はその程度のごく短い距離で見ています。凝視している状態に近いのです。

その状態で突然広告を見せられると不愉快になるのです。びっくりしたりしますしね。

インターネットの場合は、見ている人に情報が直に届きます。それほどインパクトが強いのです。

ですから、この能動性と凝視の効果を兼ね備えたインターネットという媒体は、上手に利用すると非常に効果的な広告媒体になります。

いわゆるプッシュ型の広告としては、インターネットはテレビをはるかにしのぐ効果があることが分かっています。逆にテレビCMは、多くの人に商品やサービスを広く認知させるという点でインターネットよりも優れています。

一般に人が商品を購入するには、その商品の存在を知ってから複数回の情報接触の後、購入の決意をする経験をさせる必要があるとされています。商品情報の接触は広告でも実物でもいいのですが、複数回の接触が必要なのです。接触する場所は特定の場所である必要はありません。テレビで見て、雑誌で見て、デパートで見て、あなたのウェブサイトで見て、という感じもいいのです。

この複数回の情報接触が必要だという点を根拠にして、複数回の同一サイトへの訪問が必要なのでウェブサイトではリピーターが大切だ、と書いている本がありますが、それは誤解で、

テレビ → Yahoo! → あなたのサイト
でもいいのですね。
インターネット広告はプッシュ型の広告として、見ている人に強烈なインパクトを与えることが可能であることは前述しました。要するに『見ている人を説得できる広告』とすることが可能なのです。言葉を換えれば『購入の決意をする経験をさせる』広告にできるのです。

『購入の決意をする経験をさせる広告』とはどんな広告でしょうか。それは、『買う理由』を視聴者に訴えかける広告のことです。

商品やサービスを購入する人は、その商品を『買う理由』を求めています。買う理由がなければ、衝動買いができるような少額商品を除いて、人は商品を購入しようとは思いません。

テレビCMは、不特定多数に対して配信される広告ですから、『商品を購入する理由』を訴えかける広告にすることは困難です。そうした広告はその商品にある程度の興味を持っている人達にしか効果が期待できませんし、興味を持っていない人達にとっては押しつけがましいとして反感を買うことさえあります。そんなことをしては企業ブランドに傷が付くことは誰にでも容易に想像できるでしょう。

インターネットでは『商品を購入する理由』を訴えかける広告が有効です。インターネットユーザは自分の欲しい情報をさがすために能動的にインターネットを利用するのですから、彼らが探している情報に関連する広告を見せることが可能なのです。実際、インターネットユーザにとって興味のある特定分野の商品広告をインターネットで配信した場合には、そうでない場合に比べて200倍以上のレスポンスがあるという調査があります。

ですから、『 テレビ → Yahoo! → あなたのサイト 』という流れで商品情報に接してきたインターネットユーザに対してあなたのサイトで『商品を購入する理由』を提示できれば、その商品があなたのサイトで売れる可能性が非常に高くなります。

現在、テレビショッピング番組では、インターネット広告で有効な『買う理由』を視聴者に訴えかける広告を展開しています。しかし、テレビ番組の場合はインターネットのように視聴者が興味のある番組を好きな時間に検索できるという機能を提供できてはいません。

テレビCMで商品の存在を告知し、インターネット広告で購入を決意させるという役割分担は、これからの商品広告モデルとして一層発展していきそうです。

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