不信感を抱くサイト

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アフィリエイトをしているサイトの中には、わざわざブラウザのステータスバー(左下の部分です)に「当サイトへようこそ!」というメッセージを表示したり、メッセージそのものを非表示(ブランクメッセージを表示)にしたりしているところがあります。

ステータスバーは、リンク先のアドレス(URL)や通信状態を確認したりするためのものです。当然ユーザーの利便性を考慮して作られた機能です。その機能を無効にするようなことをしているわけです。Java Script を使うと簡単にそうしたことができますが、何のためでしょうか。

普通、ステータスバーにメッセージを表示されると目障りです。ついそこに目が行ってしまいますから。また非表示にされると「何か良からぬ仕掛けでもしているのだろうか」とも思ってしまいます。ブラウザクラッシャーを仕込んでいるのではないだろうか、とか。

私は当初「Java Script を覚えたので使ってみたいのかもしれない」と思っていました。ところが、あるブログで思いがけない「動機」を見つけてしまいました。そのブログはアフィリエイトをしている人が書いているブログです。そこには、ステータスバーに「当サイトへようこそ!」というメッセージを表示している理由について次のように書かれていました。

『人間というものは、他の人を儲けさせることは嫌いです。だから、リンクにアフィリエイトコードが入っていることを知るとクリックしてくれません』

だから『わざとリンク先のアドレスが分からないようにしている』というのです。その方がクリック率がいいそうです。そして、その応用編として、『アンカー位置で右クリックをするとURLを知ることができるので「右クリック禁止」にした方がいい』とも書かれていました。右クリックの禁止は、Java Script で、右クリック時に警告メッセージを表示することで実現できますが・・・

これって、果たして本当でしょうか? まず、基本前提の「人間というものは、他の人を儲けさせることは嫌い」ということですが、そうでしょうか。「理不尽に人にお金を取られたくない」という人ならたくさんいるとは思いますが、普通の人は、自分が手に入れる商品やサービスに見合う対価なら支払うのは当然だと思っているのではないでしょうか。その辺のコンビニで商品を買ったときに「ああ、儲けさせてしまった。激しく悔しい!」と思う人はあまりいないでしょう。そんな人は、ちょっと異常ですよね。

また、アフィリエイトだと分かったからといって、その商品を商品名で再検索してまでアフィリエイトサイト以外のショップから買おうと努力する人というのも少ないような気がします。そんなことは「時間の無駄」です。欲しい商品がそこにあって、その商品を買おうと決めた人は、普通はそこで買ってしまうでしょう。再検索をするとしたら、もっと安いところを探すとかもっと安心できるショップを探すとかいった特別な理由があるときです。

「人間というものは、他の人を儲けさせることは嫌い」というのは、自分がアフィリエイトをしているがための「思い過ごし」ではないでしょうか。「他のアフィリエイトサイトで買わせたくない」という思いのために、きっと他の人も同じに違いない、とでも思ってしまったのでしょう。

実際には、アフィリエイトコードを埋め込んでいると分かるのは、アフィリエイトをしている人か、そうした知識のある人だけです。同業者ですね。一般のインターネットユーザーではありません。自分でアフィリエイトをしている人は、自分で商品を購入して報酬になるのなら、はじめから自分のサイトで購入しようとするでしょう。そういう人達を騙して購入させることは無理です。ですから、ステータスバーでアフィリエイトだと分かったからといって売上げが落ちるというようなことは、ほとんどないといえます。買う人は買うし、買わない人は買わない、それだけのことです。

それより、問題なのは「騙してでも買わそう」という意図があることです。これは「理不尽に買わされた」という事態になることを意味します。そうしたサイト運営者の気持ちというものは、意外と訪問者にも伝わるものです。「騙そうとしている」とは思わなくても、妙な不信感は感じるものです。

どうしてでしょうか。それは、マンマシンインターフェースを無理矢理変えられるからなのですね。普段見慣れているブラウザの動作とは違う動作をしているのですから、なんか変だと感じない方が変です。そうした「変な感じ」は、そのサイトへの不信感につながります。

不信感を感じるサイトで商品を購入する人は少ないのです。ですので、こうしたブラウザの基本動作を変更するようなことは、たとえ変な意図がなくてもやってはいけません。「Java Script を覚えたので使ってみたい」という単純な理由からだとしても、サイトを訪れるユーザーに不信感を抱かせるようなことはしない方がいいのです。

ステータスバーに変な小細工をしたためにサイトを去る人の数の方が、騙せる人の数を遙かに上回るでしょう。サイト作りのテクニックの一つに「ショップやアフィリエイトだと宣言する」というものがあります。そうすると人は安心して商品を買うようになるのです。「商売ですよ」という宣言をすることによって、訪問者は自分を買う人の立場、お客さんの立場に置き直すのですね。

インターネットで商品を売るようなビジネスの場合は、商品を売るテクニックを身につけるよりも、お客さんを逃がさないサイト作りの方が大切です。人が逃げていくサイトでは、そもそも商品を見てもらえませんから。

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